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STOP!The 院内感染

機能別・職種別感染対策チームを編成 昨年4月に従来通りの体制で加算1届出

 都市部郊外に在る医療法人N会N病院(一般43床)は整形外科を主体とし、小規模病院ではあるが早い時期から独自の指針やマニュアル等も整備し、医療安全管理に注力してきた。感染防止対策への取り組みも早く、9年前にキーパースンとなる看護師が感染管理認定看護師の資格を取得し、当該看護師が中心となり感染管理体制を徐々に強化していった経緯がある。2010年改定で新設された感染対策防止加算もいち早く届出していた。
 N会では併設の介護老人保健施設と連携し、地域で医療・福祉・介護が一体となったサービスを提供している。感染対策の実働部隊として、最初にリンク・ナ−スが主体の看護師のチームを編成。続いて8年前から併設の介護老人保健施設のスタッフを中心とした介護職のチーム、更には7年前からリハビリテーションのチームを作るという形で、同グループ各施設の機能に合わせた職種別の感染対策チームを編成しているのが、他の医療機関にはない特徴と言える。例えばN病院の看護師チームの場合は手術部位感染予防における感染対策の強化が柱となり、介護職チームは高齢者のケアに係わる感染対策に軸足を置くという形で、感染対策も異なる視点からの取り組みが必要との考え方による。
 また同院は小規模病院であり、初期の頃からICTという形を取らず、グループ全体の感染対策委員会がICTと同様の役割を果たしてきた。整形外科1病棟のみの単科病院であるため、ラウンドも常に整形外科病棟に集合して行う形になる。職員全員の“顔が見える”規模でのチーム医療であり、従来からICN、ICD、薬剤師、臨床検査技師らの4職種が感染対策に関与してきたため、これまで通りの体制で加算1は昨年4月から届出することが出来た。大規模総合病院に見られるような縦割り組織の弊害はなく、もともと組織横断的なフラットなチーム医療を進め易い土壌があったようだ。
 毎月1回開催する感染対策委員会には、4職種のメンバー以外に栄養士や理学療法士、事務職員等、病院を支える各部署を代表する責任者が集結する。これは介護老人保健施設も同様であり、患者を支える職種の代表者が集まる。
 連携に関しては以前から、管轄する自治体が音頭を取り当該地域における中小病院のネットワーク事業を進めてきたが、それを契機に5年前から看護管理者の会が発足し、20施設程の病院が参加し、多様なテーマで研修会を実施してきた。同会では初年度から「地域で取り組む感染対策」をテーマに勉強会や情報交換を行ってきたため、以前から面識のある同会参加の病院との連携が円滑に進めやすかった。このネットワークは現段階では、加算2届出病院が多数を占めるため、加算1の同院を含む数施設が中心となり、合同カンファレンスを進めていくことになった。この他にも感染管理認定看護師同士のネットワークがあり、常に他の病院のICNと連絡や情報交換を行ってきたのと、看護部長同士の独自のネットワークも確立されていたため、比較的、スムーズに他の加算1病院との連携づくりを構築することが出来た。既に連携加算の届出も可能になり、24年の改定からは加算1連携加算と合わせて、患者一人当たり500点が算定可能になった。
 同院の毎月の新規入院患者数は110人程で、大病院と比べると診療報酬面のスケールメリットは乏しいと思われるが、これまでマンパワーを整備して取り組んできた活動に対して、診療報酬で適正に評価されるようになったのは大きかったようだ。
 同院はキーパーソンの感染管理認定看護師の他に、もう一人病棟に勤務する同認定看護師がおり、サポーターとしてICTにも加わっている。43床で2名のICNがいるケースは珍しく、機動力があることから、同病院に連携の事務局を置き、同院が他の病院との調整やカンファレンス等のコーディネート役を担うことになった。
 同院のICNによると「加算1病院は当院よりも大規模な高機能病院が大半だと思われますが、連携においてICTがお互いの病院に赴いてラウンドし、チェックし合うことが良い効果を生むと感じます。相互評価を行う前提として、全ての情報をオープンにしなければなりませんし、互いに刺激を受けて切磋琢磨することが感染管理の“質の向上”につながっていくのではないでしょうか。」と話している。