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精神科病院における院内感染対策 (その1:総論)

財団法人創精会 松山記念病院
山内勇人、佐伯真穂、木村尚人

1.はじめに

精神科病院の院内感染対策

院内感染対策は施設の専門性やその規模に関わらず、どんな施設にも必要なものです。総合科の大病院だけではなく、単科の精神科病院でも必要ですし、クリニックや在宅医療、老人保健施設および福祉施設などにおいても欠かすことはできないのです。2006年12月のノロウイルスの大流行はそれを如実に示しました。
 しかし残念ながら、感染制御医師(ICD)や感染制御看護師(ICN)が実働している施設は限られています。それ以外の大多数の施設での担当者は、院内感染対策に日々苦労されているが実情ではないでしょうか。
 難しいガイドライン云々の話は成書に譲ることとして、ここでは精神科病院の現場でスタッフとともに取り組んでいる、いち感染制御医師(ICD)の立場から、精神科病院での院内感染対策の考え方や展開についてのヒントをお伝えできればと思います。 

2.院内感染対策は病院の安全管理である

 近年のマスコミ報道に見られるように、一般市民の院内感染への関心は非常に高まっています。
 MRSAや多剤耐性緑膿菌などのように、主に抵抗力が低下した患者さんで問題となるような耐性菌が精神科病院で問題となることは少ないとしても、結核や毎冬流行するインフルエンザや感染性胃腸炎などの院内流行は、精神科病院の職員への罹患や病院経営に悪影響を与えるだけではなく、死亡者が出た場合には社会的な信用が失墜し兼ねない事態となり得ます。
 つまり、院内感染対策は、病院の安全管理としての中核の一つなのです。そして、問題が起こって始めてそのレベルが問われる訳ですが、紛れもなく、救急処置と並ぶ病院の医療レベルであると考えます。