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安全管理と看護業務:与薬ミスをどのように少なくするか

国立保健医療科学院
伊藤弘人

1.頻度の多い領域に注目する

 精神科や内科では薬物治療が医学的治療の中心となります。そのため、安全管理においても与薬ミスをいかに少なくするかが、とても大切です。 このことは2003年6月にも述べましたが、どの程度頻度の多いことかについては、図1が参考になると思います。

 この図は、先進的な日本の精神科病院のご協力で、多施設での薬剤ミスのインシデントをまとめたものです。誤与薬が最も多いことがおわかりになると思います。ちなみに組織的な改善活動を進めるとき、高い頻度の事柄のいくつかに焦点を当てると効果的であるといわれています。たとえばこのグラフから考えると、誤与薬のみの対策だけでも全インシデントの36%を少なくすることができますし、誤与薬と時間間違いの対策では56%、与薬忘れを加えれば72%、処方量違いまで対策を講じれば、問題の85%をカバーできます。頻度の多い事柄に注目することは、問題の緊急性と重大性への対策とともに、とても大切な視点です。貴院のインシデントも多い順番に並べてみてはいかがでしょうか?

薬剤ミスに関する多施設調査結果