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精神科医療における安全管理

国立保健医療科学院
伊藤弘人

1.精神科医療における安全管理領域

 精神科医療における安全管理は、保健医療領域全体の共通点とともに、精神科医療独特の点をあわせ持ちます。 たとえば、精神科入院患者層が高齢化しているために、転倒防止や身体拘束最少化などが重要で、この領域は高齢者医療・ケアにおける安全管理との共通点があります。 一方、非任意入院、隔離最少化や自殺防止など行動上の安全管理という精神科医療に特徴的な側面もあります。

 一般に精神科医療においては、表1に示す領域への安全管理対策が重要です。これまでの調査によると、精神科医療においては、特に薬剤ミスの問題の頻度が国際的に多いようです。 たとえば、病棟での与薬時に、同じ名前の別の患者さんに薬を渡してしまうというミスはその代表的な例のひとつです。危うく同姓同名の患者さんに与薬しようとしてヒヤリとした経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 なお、同様の内容をリスク・マネジメントと呼ぶこともありますが、安全な医療を推進することがこの活動の最終目標ですので、近年では「安全管理」と呼ばれることが一般的になりつつあります。

表1.精神科医療の安全管理の領域

領域
自殺・自傷行為
不慮の事故(転倒、転落、誤嚥、窒息)
他害行為(患者・患者間、患者・職員間)
薬剤ミス離院
無断外出