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ご意見箱と患者満足度調査

国立保健医療科学院 伊藤弘人

1.すでに「ご意見箱」を設置して活用していますか?

 各病院では、「ご意見箱」という形式で患者さんや家族の方々の意見を集める試みが増えているようです。第三者評価において、「患者・家族の意見の尊重」の中に「患者・家族の希望や意見を聴くための手段」がとられているかを評価する項目があると紹介しました(第8回)。有力な手段のひとつが「ご意見箱」を設置して、投書された意見に対して組織として取り組むことです。「ご意見箱」を活用することは、第三者評価の観点からも高く評価される試みなのです。

 ただし、「ご意見箱」を設置しただけで安心していませんか? 今回は、「ご意見箱」を設置するだけでは病院側の患者・家族の意見の尊重は十分とはいえないこと、および患者満足度調査との異同について考えてみます。

 まず、設置だけでは十分ではないという点です。一般に、施設・設備など「箱」が完成すると安心してしまいます。確かにこのような「構造」的側面の整備が必要な場合は多いのですが、使われずホコリをかぶってしまっては意味がありません。大切なのはそれらを毎日の診療で十分に「活用」することです。

 ご意見箱を活用するためには、次の一連の「過程」が必要です。ご意見箱に投書された意見が職員によって定期的に集められている。集められた意見は整理され分析されている。整理分析された意見は組織で検討(改善の要否・緊急性・フィードバック方法)されている。重要な事項は経営幹部会議等で報告・議論・予算措置がなされている。組織としての対応方針が、患者・家族や職員へ知らされている。

 最も大切なのは、必要な改善が行われていることです。各病院で、ご意見箱の投書で改善した事例はどのくらいありますか? 患者・家族の声を尊重するためには、以上の一連の流れが必要なのです。

表1.ご意見箱を活用する

構造
ご意見箱の設置
過程
職員による定期的な収集
集められた意見の整理・分析
意見は組織で検討(改善の要否・緊急性・フィードバック方法)
経営幹部会議等で報告・議論・予算措置
患者・家族や職員へのフィードバック
成果
改善事例