Home > チーム医療活動 > 精神科入院治療における患者満足度の分析 (PAGE 1)

精神科入院治療における患者満足度の分析

NTT東日本関東病院精神神経科 本堂 徹郎
東京大学大学院医学系研究科精神保健分野 小山 明日香
NTT東日本関東病院精神神経科 秋山 剛

1)背景

 医療におけるアウトカムを評価することの重要性に対する認識は年々高まっており、より有効な評価方法が求められている。精神科における入院治療では、病態の重症度、病識、入院治療に対する動機、家族の支援など、診療の内容以外の様々な要因が関与するために、小規模な病床における調査では、平均在院日数、再発率、再入院率などが、妥当な指標になりえない面がある。
 一方、精神科の治療を患者中心のものと考える立場からは、「患者満足度」を重要なアウトカム指標として考えることができる。精神医療における患者満足度については、伊藤らによる先駆的な研究がある。(参考文献 4,5

2)目的

 今回我々は、患者満足度に影響を与える要因を分析する目的で、入院治療度全般に対する患者満足度、患者基本属性・臨床的特徴、病識、治療説明や病棟環境など関連すると思われる要因について調査を行った。
 なお、当院はJR山手線五反田駅に近い、病床数665床の総合病院であり、精神科病棟は開放病棟50床である。スタッフは、常勤医師6名、非常勤外来担当医師4名、常勤臨床心理士1名、非常勤臨床心理士4名、作業療法士1名、脳波技師1名、兼任病棟薬剤師1名である。平均在院日数は約60日であり、入院患者の主な診断は気分障害(45%)、統合失調症(15%)、認知症(8%)などである。

3)対象

 平成16年12月6日から平成17年4月31日までに当科を退院した患者のうち、退院時に任意入院であった全患者89を対象とした。このうち、調査に対する説明同意が得られ、すべての項目に回答が得られたのは、45名(男性23名、女性22名、回収率50.6%)であった。