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松山記念病院における患者満足度調査

 

財団法人創精会松山記念病院 看護部
  小椋 由美

 医療の質を問われるという事は、今まで一方的であった医療行為が、どう評価されるかという事に他ならない。とりわけ患者自身へ直接的にアプローチする患者満足度調査は、医療評価のきわめて有用な手段のひとつと推察される。
松山記念病院は、全病床数743床の大規模精神科病院である。当院では、平成13年11月より精神科の急性期患者を対象とした病棟で、満足度のアンケート調査を実施している。その結果から、精神科病棟における患者満足度調査について以下に述べる。

<対象と方法>

 当院の急性期患者を対象とした6つの病棟(開放2病棟・閉鎖4病棟)から退院する患者を対象とし、退院時にアンケート調査を実施。その集計結果を6ヶ月毎に分析・検討した。(対象者数:平成13年11月〜平成14年4月で358名)

<アンケートの内容>

 アンケートは、当院における入退院の動向を調査・分析する目的もあったため、財団事務局・医局・看護部が共同し作成した。
 内容は、わかりやすく記入しやすいという事をモットーに、1)当院を選んだ理由 2)職員に対する満足度 3)給食に対する満足度 4)自由記載欄で構成した。満足度の評価は、「満足」から「不満」までの5段階からひとつを選択するという方法を採った。
 さらに2年間の実績をふまえたうえで、平成15年9月からはCSQ-8J(日本語版Client Satisfaction Questionnaire)の内から5項目をアンケートに盛り込んだ書式に変更し、他の施設と比較することも可能となった。

<患者満足度調査の意義>

 平成13年11月から6ヶ月間の集約結果は、図1から図7である。当院を選んだ理由として、初回入院時は他からの紹介が多かったが、入院2回目以降は、内部環境の評価が増加する事が明らかになっている。
 さらに一般科とは違って精神科病棟に於いては、
1) 患者自身が入院を不本意と感じている場合が多い。
2) 入院期間も総じて長く、行動制限も多い。
3) 治療スケジュールが明確でなく、療養中心。
など、入院生活の満足度を左右する要因がいくつか推察され、それぞれの観点からアンケート結果の分析を行なっている。
 ちなみに、平成15年7月の日精協精神医学会では、入院形態が及ぼす満足度への影響を報告した。そして今後は、在院日数や治療計画などに焦点をあて患者満足度を分析する予定である。
 患者満足度は以前から看護研究としても調査され、接遇の改善などに役立てられてきた。今後は看護だけでなく、治療分野でも調査を継続し分析してゆく事で、当院の特性と傾向を知り、経営戦略につなげる必要を感じている。特に患者満足度調査の結果を現場にフィードバックする事は、「選ばれる病院」に近づく手段のひとつとして有効である。さらに今後、CSQ-8Jのような評価スケールを用いることで、他の医療機関との比較や標準化が図られ、精神科医療の質の向上に結びつくものと期待される。

第40回日本病院管理学会学術総会(2002.11.1〜2 北九州にて関連発表)
第31回日本精神科病院協会精神医学会(2003.7.10〜11 札幌にて関連発表)

図1 アンケート回収 図2 当院をえらんだ理由
図1 アンケート回収
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図2 当院をえらんだ理由
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図3 当院をえらんだ理由(初回および2回以降)
図3 当院をえらんだ理由(初回および2回以降) ※クリックで拡大

図4 受付・事務・会計職員の言動や態度 図4−1 満足の理由 図4−2 不満の理由
図4 受付・事務・会計職員の言動や態度
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図4−1 満足の理由
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図4−2 不満の理由
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図5 医師の言動や態度 図5−1 満足の理由 図5−2 不満の理由
図5 医師の言動や態度
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図5−1 満足の理由
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図5−2 不満の理由
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図6 看護師の言動や態度 図6−1 満足の理由 図6−2 不満の理由
図6 看護師の言動や態度
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図6−1 満足の理由
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図6−2 不満の理由
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図7 病院の給食について 図7−1 満足の理由 図7−2 不満の理由
図7 病院の給食について
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図7−1 満足の理由
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図7−2 不満の理由
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