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有朋会栗田病院における患者満足度調査

 

医療法人社団有朋会栗田病院 満足度調査委員会
  樋山慶樹・島田友

〜報告制度活用の実際〜

(1)経緯

 現在、医療を取りまく状況は大変厳しく、医療の質を問われる時代になっていることは明らかである。私たちは患者や家族に「選ばれる病院」を目指し、医療の質の向上に組織的に取り組んでいかなければならない。
 そのためには、一方的に医療を提供するのみでなく、当院の治療に対する利用者の評価を知ることが必要となる。その手段のひとつとして、CSQ‐8Jを用いた患者満足度調査を実施し、受け手の医療に対する満足度を明確にし、分析することで、当院の特性と傾向を知り、患者や家族に安心・信頼していただける質の高い医療サービスの提供につなげることができると考えた。

(2)概容

 当院では利用者の視点を導入し、組織的な医療の質改善を図ることを目的に、平成15年8月に満足度調査委員会を設置し、平成16年4月よりCSQ‐8Jを使用した満足度のアンケート調査を実施した。
 対象は、精神科病棟の退院患者で、精神遅滞、痴呆などの知的障害と診断されている患者を除いた全員とした。対象者にはアンケートの主旨、プライバシーの配慮等について文書を用いて説明し、了解を得た方に対して、退院前日に用紙を渡し、自記式、無記名で記入していただいた(クライエント満足度調査〔CSQ‐8J〕のアンケートのお願い参照)。そして、退院時にナースステーションに設置されている回収箱にいれていただき、週に一度、調査委員が回収し、集計を行った。
 以下、平成16年4月から9月までの上半期の患者満足度調査の結果をまとめたので報告する。

 今回、調査対象者は131人であり、91人(69.4%)の調査票を回収した。
 各病棟での回収率は、精神科急性期治療病棟1(H16年9月認定)で66.1%、精神科一般病棟で70.7%、精神科療養病棟1(男女混合)で83.3%、精神科療養病棟1(男子)で71.4%であった。
また、各病棟でのCSQ‐8J総合得点の平均は精神科急性期治療病棟1で23.3、精神科一般治療病棟で23.4、精神科療養病棟1(男女混合)で25.7、精神科療養病棟1(男子)で26.4であった。
全体でのCSQ‐8J総合得点の平均は23.7であった。(グラフ参照)


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(3)今後の取り組み

 CSQ‐8J総合得点は8〜32点の間で示され、得点が高いほど満足度が高いことになる。立森らがCSQ‐8Jの信頼性・妥当性について研究を行っているが、その際の総合得点の平均は22.3点であった。今回、平成16年度上半期の当院全体のCSQ‐8J総合得点の平均は23.7点であり、治療を受けた患者は当院での治療におおよそ満足していることがわかった。これからも更なる研鑽に努め、平成16年度下半期は平均点の1点以上の上昇を実現したい。
 また、患者満足度調査の結果については、今後も現場へフィードバックしていくと共に、更には様々な医療サービスとの比較も行い、自らを振り返り、先進的な取り組みを学ぶ機会として、医療の質の継続的な向上を目指していければと考えている。

最後になりましたが、本調査にご協力をいただいた患者様方に厚く感謝の意を表します。 

参考文献

  • 伊藤 弘人,栗田広訳:精神科医療アセスメントツール.医学書院,2000.
  • 立森久照,伊藤弘人:日本語版 Client Satisfaction Questionnaire 8項目版の信頼性および妥当性の検討.精神医学41:711‐717,1999.
  • 伊藤弘人:精神科医療のストラテジー.医学書院,2002.