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統合失調症地域医療連携クリティカルパス「地域連携手帳(案)」

兵庫県立光風病院
医師 青木 信生

はじめに

 2011年7月6日、厚生労働省は「4大疾病」と位置付けて重点的に対策に取り組んできたがん、脳卒中、心臓病、糖尿病に、新たに精神疾患を加えて「5大疾病」とする方針を決めた。うつ病や統合失調症などの精神疾患の患者は年々増え、従来の4大疾病をはるかに上回っており(同省の2008年の調査では精神疾患の患者は323万人、糖尿病の患者は237万人、がんの患者は152万人)、重点対策が不可欠と判断された。
 一方、近年の診療報酬改定の基本方針における4つの視点として、1)患者から分かりやすく納得でき、安心・安全で、生活の質にも配慮した医療を実現する視点、2)質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点、3)充実が求められる領域を適切に評価していく視点、3)効率化余地があると思われる領域を適正化する視点、が挙げられている。
 このような背景がある中で、これからの医療関係者にとって、自らの機能を明確化し連携すること、ケアサイクル全体に亘ってシームレスなサポートを行うこと、医療圏単位で臨床上のプロセスやアウトカムをパフォーマンスの指標としてこれを向上していくことは、重要度の高い論点であると言ってよいであろう。
 ケアサイクル全体に亘ってシームレスなサポートを行おうとすれば、地域内の連携と多職種の協働が必要になる。生活を支える医療を行うには、生活支援に関わる支援者との連携が不可欠であり、病気を考慮した生活支援を行うには、医療関係者との連携が不可欠である。今回、糖尿病やがんなど他領域で既に運用されている医療連携手帳を参考にしつつ、 統合失調症を主たる対象疾患と想定した地域医療連携クリティカルパス(以下、連携手帳という)を作製したので報告する。

連携手帳の概要

 連携手帳は、当事者の説明と同意を得た上、 当事者が自ら関係者の元に持参して利用する手帳である。主な項目として、「連携手帳の主旨説明」「連携手帳使用に係る説明書・同意書」「わたしについて」「連携先に伝えたいこと」「医師から連携先に伝えたい診療情報」「患者・家族セルフチェックシート」「地域連携診療計画書」「医師コメント」「ストレングス評価と目標設定」「連携メモ」「夜間・休日に急に精神症状が悪くなったときのために、 考えておきたいこと・知っておきたいこと」「必要なときに相談できる人たち」「困ったときに相談できるところ」を設けた。
 PDF地域医療連携手帳(PDF:870KB)

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