Home > チーム医療活動 > 入院うつ病患者に対するクリニカルパス導入が患者満足度に与える影響(PAGE 1)

入院うつ病患者に対するクリニカルパス導入が患者満足度に与える影響
−Client Satisfaction Questionnaire-8Jによる検討−

広島市立広島市民病院 精神科
和田 健

1.はじめに

 クリニカルパス(以下CPと略す)を使用する目的として、チーム医療の推進、医療の標準化、患者中心の医療の推進、平均在院日数の短縮などと並んで患者満足度の向上が挙げられています。CPの有用性を評価するための指標としても経済性、臨床性、機能性、満足度の4つが知られています。具体的な満足度の指標としては、患者やその家族が治療を妥当であったと考えているか、看護ケアが十分であったと感じているか、インフォームドコンセントが得られているか、また同じ治療を受けたいと思うかなどを評価することになります。CPの使用によりさまざまなリスクがコントロールされて効率的な治療が行えたり、治療内容をよりよく理解できたりすれば患者満足度は向上すると考えられます。しかしながら、CPにより入院時に退院までの日程が決定されていることを早期退院への圧力として感じたり、CPからの逸脱が患者の失望感やあせりにつながる場合には患者満足度の低下をきたす可能性があります。
 現在までにCPのアウトカムとして在院日数や治療コストの変化を検討した報告は見られますが、患者満足度についてはあまり検討されていません。当科で入院うつ病患者を対象としたCPを導入する際にも、平均在院日数短縮のために早期退院を促すことが患者満足度の低下につながるのではないかという懸念がありました。そこで、CPに沿った入院治療がうつ病患者さんの患者満足度に与える影響について検討を行ってみました。