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広島市立広島市民病院精神科におけるうつ病クリニカルパスの運用

広島市立広島市民病院精神科
和田 健

1.はじめに

 広島市立広島市民病院精神科では平成14年9月から入院うつ病患者に対するクリニカルパス(以下、CP)の運用を開始し、今日に至っています。その後約3年が経過して適用した患者も150名を越え、若干ながらCPの改訂も行ってきました。院内的にもクリニカルパス委員会が立ち上がって、本年稼働予定の電子カルテに載せるべく検討がすすんでいます。本稿ではこれまでの経験や問題点、今後の課題などについて述べたいと思います。

2.運用中のうつ病CPについて

 当科で運用中のうつ病CPの医療者用パスシートをpdf図1(18KB)に、入院診療計画書を兼ねた患者用パスシートをpdf図2(201KB) に示します。まず、休息期、退院準備期、退院前期と3つのフェーズを設定しました。休息期は2週間とし、入院日の翌々週の週末に初回外泊を行い、2回目の外泊を行った後に退院するという流れを基本としました。外泊は週末を原則としたため、在院日数は入院した曜日によって異なり、25〜33日となります。行動範囲を段階的に病棟内、院内フリー、院外フリーと拡大し、服薬管理も段階的に1回ごとの与薬から1日分の自己管理、1週間分の自己管理へと病棟薬剤師の協力の下、外泊などを考慮して移行させました。7枚の疾患教育パンフレットを利用し、各フェーズに合わせて主治医が説明を行い、後でまた読み返してみるよう指示しました。パンフレットは双極性うつ病、内因性うつ病、反応性うつ病(適応障害の要素が強いうつ状態)各々に対して計3パターン作成しました。 90%以上は同じ内容ですが、双極性うつ病では躁転の危険や気分安定薬についてなど、反応性うつ病ではストレスへの反応とか現実的目標の設定などを含めています。看護師がバリアンスチェックシートによりバリアンスを評価し、主治医の評価を加味して次のフェーズに進めるかを決定しました。症状の経過は MADRS(Montgomery Asberg Depression Rating Scale)、BDI(Beck Depression Inventory)、CGI(Clinical Global Impressions)で評価しました。通常のCPの運用では、バリアンスが生じた時点で適用中止となる場合もありますが、今回の我々のCPでは一連の疾患教育を主目的としていることから、バリアンスが生じた場合でも各フェーズを週単位で延長することで完結するように運用しました。抗うつ薬の選択は各主治医の判断で行い、画一化は行いませんでした。