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急性期(統合失調症)のクリニカルパス

東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野
中西 三春

 クリニカルパス(以下、パス)を開発するにあたっては、最初に、現在その病棟で行われている通常の治療・ケアを記述することになります。例えば統合失調症の患者さんに対して行う治療・ケアのパスを開発する場合、病棟によくある患者群への治療・ケアを言葉にする作業から始めます。しかしそのように各病院や各病棟で取り組みを行っていく中で、次のような疑問が生じるのではないでしょうか―他の病院ではどのように治療・ケアを行っているのだろう?
 わが国全体での精神科における治療・ケアの現状とは、どのようなものなのでしょうか。H15年度厚生労働科学研究費補助金(障害保健福祉総合研究事業)「精神科急性期病棟・リハビリテーション病棟等の在り方に関する研究」(主任研究者:国立精神・神経センター武蔵病院 樋口輝彦 院長)で、精神科急性期の治療・ケアを把握する試みが行われました。精神科の急性期治療病棟または救急入院料を取得している病院、国立療養所(現・国立病院機構)の急性期の患者さんをより多く受け入れている病院、都道府県の救急システムに関与している大学病院のあわせて47施設にご協力いただいた調査の結果を、簡単にご紹介します。

   調査では、病棟を担当されている医師の方にある急性期の患者さんの例を提示して、この患者さんが病棟に入院された場合に行われるであろう治療・ケアを記入したパスを作成してもらいました。今回ご紹介するのは、急性期の統合失調症患者さんに対する入院医療のパスと、興奮状態による隔離室使用のパスです。すでにその病院で用いられているパスがあった場合、その実物のパスを送っていただきました。統合失調症パスはあわせて42件(実物のパス8,想定例のパス34)、隔離室使用パスは40件(実物のパス3,想定例のパス37)でした。