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クリニカルパスを始めるコツ

国立保健医療科学院 
伊藤弘人

1.クリニカルパス活動を始めるコツ

 「クリニカルパスには関心があるけど、自分の病院でどのように始めたらよいかまったくわかりません」「自分の病院には早すぎる活動なのかなあ」 クリニカルパスについて、臨床現場の皆様とお話する機会がありますが、その時、これらの感想をおっしゃる方が少なくありません。確かに、「治療・ケア内容がばらばらだから」、「パスをチームで考える場がないから」「関心ある仲間がいないから」、・・・など悩みは少なくないでしょう。

 「心配することはありません」と、皆さんに申し上げています。「重要そうだ」と感じることから、この活動は始まるからです。 クリニカルパスの活動の始まり方は、病院によってさまざまです。
 今回は、どのようなきっかけでクリニカルパスの活動が開始されているのかの具体例を、お話します。

2.似た経過の患者グループを見つけよう

 ある病院では、どのようなクリニカルパスを作成するかを考える手始めに、似た経過の患者グループ探しから始めました。たとえば、最近退院した患者さんについて、その特徴を次の表のようにまとめるのです。
 クリニカルパスには時間軸が大切なので、表の入院期間をみるとAさんとCさんはおおよそ3ヶ月で退院していました。 そこで、この病院では、AさんとCさんの入院中の治療・ケア内容をまとめて、共通部分をクリニカルパスシートにしています。担当患者さんの特徴をこのようにまとめると、どのような患者層への関わりが多いかがわかり、クリニカルパス作成の手がかりになるでしょう。

 なお、この病院では、統合失調症患者さんのための3ヵ月退院用パス、6ヶ月退院用パス、および1年退院用パスの3種類のパスの開発を始めています。興味深い試みだと思います。

患者名 診断 年齢 家族歴 入院歴 入院期間 ・・・
Aさん 統合失調症 55歳 家族あり あり 90日 ・・・
Bさん 統合失調症 60歳 単身 あり 10年 ・・・
Cさん 統合失調症 30歳 家族あり なし 85日 ・・・
Dさん うつ病 40歳 家族あり なし 60日 ・・・