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クリニカルパスの現状

 

医療法人静風会大垣病院
臨床教育部長 後藤 貴吉

〜当院におけるクリニカルパスの現況について〜

1 クリニカルパス導入のきっかけ

 現在、日本は超高齢者時代に突入しており、痴呆性疾患治療病棟の役割が今後ますます重要になることは議論の余地のないところである。痴呆性疾患治療病棟では、原則として最大3ケ月間という入院期間が設定されており、治療・看護・介護の標準化は、切迫した現実的課題でもある。当院では、痴呆性疾患治療病棟開設当初よりクリニカルパスの導入を検討し、紆余曲折の結果、現在のクリニカルパスに至っている。

2 クリニカルパス導入に至る問題点とその解決方法

問題点1 医師の間で異なる治療体系
■対処法
まず医師間において治療の標準化が必要であるとの合意をはかり、医師それぞれがクリニカルパスの重要性について認識することから開始した。 入院時には、医師が治療方針を記入し、他の医療関係者にも理解できるよう入院カルテを改訂した。また、原則として、入院者の家族に対して、1ケ月に1回、「治療経過報告書」を提示し、治療状況を開示するようにした。
問題点2 看護記録の曖昧さ
■対処法
主観的表現に傾きがちであった看護記録に客観性を持たせるため、N-ADL表、N-Mスケール表、転倒転落スコア評価シート、褥瘡危険因子評価シート、24時間生活サイクル表などを新規に導入し、定期的に記載することにした。
問題点3 職種ごとの連携の困難さ
■対処法
最も確実な方法は、各職種が出席のもと患者ごとに定期ミーティングを行うことである。しかし、民間病院ではそのための人的余裕がないことも現実である。そのため、各職種が患者入院後1週間後、1ケ月後、2ケ月後、3ケ月後に、紙上にて各職種の意見等を記入する形で、情報の共有がはかれるよう書式を作成し問題を解消した。

3 クリニカルパスの効用

 第一の利点は、各職種が患者に関する情報を共有できるようになったことである。

  1. 医師は、看護師の記載する各種スケールを参考することで、より詳細に患者について検討できるようになった。
  2. 看護師・介護士は、医師の治療方針を確認しつつ「求められる看護・介護」を再考しながら看護に従事することが可能となった。
  3. ケースワーカーは、治療や看護の状況を確認しながら、家族に対して適切なアドバイスをすることができるようになった。

 また、入院時に家族に対して、入院治療における留意点を文書を用いて説明することにより、入院期間は3ケ月以内をほぼ維持できている。 クリニカルパス導入にあたり、新たに作成した書類は10種類を超えるが、そのうち、1)当院で使用しているクリニカルパス、2)入院時ムンテラ用紙、3)治療経過報告書、4)スタッフミーティング用紙を以下に紹介する。