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身体拘束最小化システムの試み

NTT東日本関東病院 精神神経科 野田寿恵,秋山剛
NTT東日本関東病院 看護部 西村理香,伊藤晶子,曽根原純子

はじめに

 行動制限最小化委員会(文献2,3,5)の設置が定められた2004年4月頃から、行動制限を解除するための客観的な状態評価、判断基準の必要性についての議論が活発になった。看護師が統一した判断を行うための行動制限緩和マニュアルの導入(文献1,10)、行動制限の管理尺度導入(文献11)などの報告がみられる。管理尺度導入に関する報告では、行動制限を必要する状況の客観化、数値化、スタッフ間の認識の共通化が試みられている。
 行動制限は、患者の人権を守るために最小限に行わなければならないのは当然であるが、一方、行動制限を必要とする状況にある患者には、自傷、他害の危険性があり、不正確な判断を行えば、患者やスタッフに事故が発生する。つまり、精神科急性期治療では、行動制限を必要とする精神症状や危険性、行動制限の解除の可否について適正に評価するための、客観的な情報収集、情報の共有、指示の正確な伝達といったシステム作りが、必要不可欠である。「システム」という用語を用いるのは、保護者への説明、24時間患者に接している看護師の関与と観察、医師の診察や指示、情報の共有、指示の正確な伝達がすべて有機的に結びつかない限り、上に述べた目的を達成することは困難だからである。
 NTT東日本関東病院精神神経科では、先行報告(文献1,10,11)を参考にしながら、当院の電子カルテ環境に適した情報収集、指示、指示の伝達といったシステム作りを試行しているので報告する。