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行動制限最小化

横浜市立大学附属病院 神経科 杉山直也

概要

 行動制限最小化のための方法としてまず必要なものは、各精神科医療機関が、国や自治体などの定める指針とそれぞれの施設の状況の両方に見合った形で、基準や手順などの基本ルールを整備することです。そして、最も重要なプロセスは診療担当チームによるセルフレビューです。行動制限最小化委員会などの院内審査システムはそれを点検する仕組みとして、また各診療ツールや評価表はそれを効率化する仕組みとして有用です。その他、設備や診療器具・用具の工夫、研修会の開催、教育システムの構築、事例検討、情報発信と共有、説明と同意の徹底、専門研究などの取り組みが、行動制限を安全・適正に行うための方法として、各医療施設で行われています。本稿では、行動制限の最小化・適正化について私たちの取り組みを紹介しながら説明を行います。

行動制限の最小化とは

 隔離や身体拘束といった行動制限は、精神科の医療における主要な治療ストラテジーですが、患者様の自由を制限する行為であるため、その使用にあたっては常に適正さが要求されます。DSM-IVで知られる米国精神医学協会(APA)が以前に発表したResource guide on seclusion and restraint (1999、既にWeb上から削除)では、まず一般原則として隔離拘束が使用されるのは、「隔離・身体拘束よりも制限的でない介入方法が不十分あるいは不適切で、他の全ての代替の方法による危険性が隔離・身体拘束に伴う危険性を上回ると判断される場合」としており、さらに治療計画と見直しの項で、「各医療施設が隔離と身体拘束の使用を最小化するために、継続的に質的向上を模索する手段を講じなければならない」と、その最小化の必要性について言及しています。わが国では、精神保健福祉法によって通信・面会などとともに制限行為が規定されています。平成16年度には診療報酬改訂で「医療保護入院等診療料」が新設され、行動制限に関する「最小化委員会」と「院内指針」の仕組みを整備することが求められています。