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精神科急性期治療における行動制限の意味と最小化

千葉県精神科医療センター 平田豊明

はじめに

 精神科急性期治療の現場では、隔離・拘束をはじめとする患者の行動制限は避けられないのが現実です。身体拘束の無条件禁止を唱える人は、精神科におけるクリティカルな医療の現実を知らない人か、知らずにすむ立場にいる人、もしくは知りたくない人のいずれかであると筆者は思います。
 筆者の勤務する千葉県精神科医療センター(以下「当センター」と略記)は、ベッド数50床の小さな病院ですが、年間500件ほどの入院があります。入院は原則として重症の急性患者に限定しますから、入院患者に対する隔離・拘束は避けられません。それだけに、患者の行動制限に関してはコンシャスにならざるをえません。なぜ行動制限が必要なのか、それに見合う対価は何か、行動制限を最小化するためにはどうすればよいか、といった問いに答えなくては仕事にならないからです。
 ここでは、当センターの日常的な実践から見えてくる行動制限の意味や最小化の方法などについて、筆者なりにまとめてみたいと思います。読者の皆さんの日常臨床に、多少なりともお役に立てれば幸いです。