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『2級ヘルパー資格取得後の就業継続支援事業』開始

 これまで書き進んできた精神障がい回復者の2級ヘルパー養成講座は、平成21年度も無事に終了しました。平成21年11月17日から22年3月25日までの、約5ヶ月という長期間にわたる講義・実技・施設実習等の、受講生にとっては緊張かつ充実した時間だったと思います。
 2級ヘルパー養成後の『修了証書』、こころの病のために働く度に直面してきた挫折から、やむなく生活保護を受け、昼間は障がい者の福祉施設に通い・・・、そんな半ばあきらめてしまった"仕事のある生活"、そこから抜け出そうとして受けた講座で得た資格なのですから。

◎ 2級ヘルパー資格を得たAさんの場合

 すでに40歳に手が届きそうになった今、Aさんは2級ヘルパーと3種類のガイドヘルパーの資格を取得しました。
 Aさんはがっしりとした体格の、物静かな男性です。若い頃にはバブル景気に乗って超多忙な業界で1日12時間位の勤務も平気にこなし、30万円もの給料を得ていたといいます。
 こころの病を発病したことによってその生活が打ち切られ、長い療養生活が始まりました。優しい兄弟に囲まれ、Aさんは病気を克服していきますが、就職はなかなか決まらないまま、30歳代で生活保護を受給せざるを得なくなりました。その間、通院も服薬もしっかり続けていましたが、就労には至りませんでした。地域の福祉施設に通うようになりましたが、1週間のうちに3日行けば良い方で、休む時の連絡もほとんどしないという態度が見られました。Aさんにとって地域の就労施設はどのような生活支援の価値があったのか、おそらく彼に直接問うたとしても、彼はいつものにこにこと穏やかな表情を見せるだけで、何も答えないでしょう。Aさんが望んでいたのはやはり就職して自立することであって、生活保護で単身で暮らしていくことではなかったと思われます。

◎ 毎年出る5人前後の中断者の問題

 本年度の2級ヘルパー講座終了の平成22年3月25日、大阪府の担当課と事業受委託者の当法人から、35人に修了証書を授与いたしました。開講時は40人だったのですが、5人の方々には、欠席が多く出席日数が足りない等の理由で、残念ながら修了証書をお渡しすることができませんでした。受講後すぐに休んでいる受講生の状況を確認しようと所属の福祉施設に問い合わせたところ、職員さんから「施設には来ている」と呑気な返事が返ってくることもありました。
 当方は受講者の所属施設や医療機関の担当者との連絡・調整に努力しなければならないと考えていますが、対象者の受講を先方がどのように判断されているのか非常に疑問に思わざるを得ないことがあります。つまり受講前のみならず、日常的に施設の中で就労に関する情報が流されていたり、職員と常に個別の就労プランが検討されているのだろうかという疑問です。
 次に精神障がい者の場合、病気の再発に最も配慮しなければなりませんが、彼らの「しんどい」という言葉に簡単に同調するのは間違っています。一人一人の「しんどい」内容を普段の支援の中で把握しておく必要があります。そうしておかないと、この講座のように試験はないけれど出席については非常に厳しく評価される場合、対応が遅れたために欠席が重なり、結局は出席日数が足りずに受講を中断せざるを得ない状況になってしまいます。
 改めて考えてみると、毎年中断者は5人前後いること、それも開講当初の2週間に集中しているように思いますが、この間になぜ中断者が集中しているのでしょうか?
 毎年のプログラムでは、この間は1日に90分の講義(座学)が4コマ続きます。受講生の療養生活の段階を考慮して、毎日ではつらいだろうから隔日にして、ゆっくりと進めているのですが、ある女性は眠れない状態が3日も続いて、今後が不安になり、自ら病院に駆け込んで入院しています。
 以上の事柄から、中断者対策には(1)何よりも主催者側が、受講者各人についてかなりの情報を有していなければならないということが最も重要です。しかしそのために必要な個別面談の時間をどのように生み出すかが大きな課題です。(2)当初2週間のプログラムについて、再度詳細に検討しなければならないのではと考えているところです。例えば、これまでの体験でグループワークを取り入れた講義、言い直せば"参加型"のものは受講生を生き生きさせるなどの体験から、講義の3分の一はグループワークを取り入れてみるなどの方法を試みてみる価値があると考えられます。