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『精神障害者に対する2級ヘルパー修了証書の陰に』−“修了”が就職と連動するために

はじめに

 平成16年より現在まで、国は障害者の就労支援に具体的に取り組んでいますが、その中の「障がい者の態様に応じた多様な委託訓練事業」では、精神障害回復者に2級ヘルパー資格取得と同時に、大阪府では3つのガイドヘルパー(視覚障がい、全身性障がい、精神障がい)の資格も取れるプログラムになっています。 この事業を大阪府から当法人が委託されて過去5年間・5回の講習会を実施してきました。さまざまな支援者の推薦によって面談に至り、その中から40人を選びます。
 この「大阪府ヘルパー2級養成コース」は、3ケ月で終えた年もあれば、本年は5ケ月をかけ、1日6時間に及ぶ講座や、5時間の介護技術の演習など、相当厳しいスケジュールなのです。例えば5回目の平成20年度の場合、講座22回、演習・実技5回、そして現場実習6日間(30時間)です。
 これらのハードスケジュールを受講生のほとんどが、ものともせずにこなしていかれるのです。精神障害をいくらかの部分残しながら、資格の取得やヘルパーという職種に従事したい一心で受講されています。
 中でも最も厳しいのは現場実習で、終盤にかけての6日間は長い講習の集大成となるものですし、ヘルパーとして適性がどうかを客観視される場であり、自らもまたサービス対象者と向き合うという大きな体験を迫られるのです。
 今私は、本年度の受講生の実習記録等に目を通しています。毎年のことながら彼らの純粋さや生真面目さに感動を覚えるとともに、今年もまた就労定着する率が50%を割るのではないかという不安をもってしまいます。彼らが資格を生かし、当初もっていた「働きたい」気持ちを実現するにはどうしたらいいのかが今回もまた、課題として残ってしまうのではないかという懸念をもっているからです。
 「修了」が具体的な「就労」と連動するためには、どのような環境条件が必要なのか、かれらの講習中のミーティングや実習記録等を参考に、改めて考えたいと思います。