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第8回ケアマネジメント技法を身につける

(その1)ケアマネジメントの前提となるもの

 ここ数年にわたって、国をはじめ都道府県等の行政機関が、総力を挙げて取り組んでいる障害者への新たな支援技法「ケアマネジメント」(以下ケアマネと称す)について、その「技法を身につける」ということを考えてみたいと思います。

 高齢者に対する介護保険法に基づく職種としては、「ケアマネージャー」が生まれましたが、障害者についてのケアマネージャーの資格制度は成立しませんでした。結果としてはかえって良かったかもしれないと思います。何故ならこの技法は、障害者にかかわらず、すべての福祉領域の支援者にとって、必ず身に着けなければならないものと私は考えるからです。

1)精神障害者ケアマネージメントの今

 ケアマネ技法を取り入れようという流れは、これまでに我が国における福祉領域の実践において、一方では少しづつ蓄積され、レベルアップしてきたもの(例えば障害者の主体性の尊重についての認識の向上とか)とか、他方欠落していたもの(生活支援技術の不確かさなど)が時流に乗って明確になってきたとか、いづれにしろ積極的な意味での時代的な背景があるのです。

 当法人でも平成14,15,16年の3年間にわたって、『精神障害者への生活支援力を確かなものにする ケアマネジメント・ステップアップ講座』を開催しています。講座はケアマネに関する研究者であり、かつ全国的にその普及啓発に力をそそいでおられる野中 猛先生と三品 桂子先生を中心に、コミュニティでの精神保健福祉領域の実践経験をもつベテランの精神科ソーシャルワー力一や精神保健福祉士を講師として、講義、事例検討、6ケ月後の実践結果報告と検討など、小人数のグルーブで実施しました。(この講座については改めて記述します。)

 さて、ケアマネの「技法を身につける」ことについて、今それがなかなか困難であることが危倶されています。時には養成研修了者の中で、現場で活用できている者は少ないのではないかという声もあります。

 行政による養成研修については、その評価を厚生労働省が厚生科学研究の課題にしていますが、当法人の3年間の講習会からもケアマネ技法を「身につける」ことの困難さ、言い換えればケアマネを実地で使いこなす前提としての条件が不十分であることを感じ取ることがありました。例えば基本的にソーシャルワーク技法が十分に使いこなされていない場合にケアマネ技法を駆使できることはあり得ないなどです。