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第7回働きたいを受けとめるために〜欠けている生活支援2〜

前回に引き続き今回はM保健所がかかわった就業支援例をご紹介します。

《事例2》B氏 50歳 男性 統合失調症

 発病が30歳過ぎからで遅く、それまでは働いていた。穏やかな人柄でデイケア仲間との関係も良好、生活保護を受け日常生活は自立していた。「働きたい」という希望が出されたので、相談員はガラス屋を紹介した。B氏はすぐに働き始めるが、数日後手指にすり傷をを負ったところ、「中年になってしたケガは一生治らない」と恐れ、相談員に相談せず自ら辞めてしまった。この間相談員が関われたのは、B氏からの情報を得ることと、事業所への1〜2回の訪問である。

《事例3》C氏 43歳 男性 統合失調症

 家庭が貧困なため中学もなかなか行けなかったため、働きづめだったC氏は、苦労人らしく保健所デイケアメンバーの"兄貴"的存在で、優しく面倒見の良い人柄だった。生活保護を受け、時には「働きたい」と希望したが自信が無いようですぐに「止める」と言っていた。

 あるとき、デイケア仲間の行っていた事業所で軽作業に就く事になった。仲間とのペア就業で比較的順調だったが、1ケ月目に作業中少し重い物を持ち上げた時に腰をギクッといわせた。過去に腰痛の既往歴を持つC氏は急いで受診し、「全治1週間」の診断だったがあっという間に精神症状も併発、自ら辞めてしまった。

 相談員は同じ職場へ行っていた仲間から得ていた情報や、積極的に保健所に話に訪れる本人に安心していたので、この急激な再発に対処できなかった。C氏は仕事を辞め、辛うじて症状の再燃をくい止めることができた。