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第2回ニーズに応えるためにその2

作業所のメンバーとなったBさんとCさん

 この作業所には、保健所デイケアを利用していた3名の若い痴呆症の方のうち、開設直前に交通事故で死亡したAさん以外の、2名の方が加わっていました(この方々については後に触れます)。 そしてこのお二人、BさんとCさんはその後もずっと精神障害者として、この作業所の利用を継続されています。

 地域の福祉施設は概ね障害別や年齢別になっていますが、そのどこにも入れない人が必ず出てきます。 そんな時、ひとまず手近な施設に入ってもらい、その上で改めて考えることが大切だと思いますが、大体は門前で断られることが多いのです。 M市の精神障害者共同作業所に若年の痴呆症患者がすんなりと入れたのは、すでに1年くらい保健所デイケアで共に過ごしてきたという実績があったからだと思われます。

 生前のAさんが、「週5日行けて、賃金も貰える。」と家族と共にとても楽しみにしていた作業所づくりの中で、Aさんの妻は家族会に入会してくれました。 次いで誕生した「老人を支える家族の会」にも入ってもらう予定でしたが、Aさんの死でそれは実現しませんでした。 週3日の保健所デイケアに1日追加された「痴呆性老人作業グループ」は、「老人を支える家族の会」の前進である「要援護老人介護者の集い」が支援していました。

 「精神障害者家族教室」と「要援護老人介護者の集い」による支援が、Aさん夫妻の願いを実現してくれたのでした。 Aさんが亡くなられたことは本当に残念ですが、Aさんが痴呆症になってもいきいきと暮らしたいという強い願いをもっていたことが、私たち周辺の者を意欲的にさせましたので、作業所はAさんの遺産だと言えるかもしれません。