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福岡県立精神医療センター 太宰府病院

社会復帰支援活動と地域生活支援活動

「デイホスピタル」という考え方

デイホスピタル用ベッド
デイホスピタル用ベッド

 平成11年、現在のA2病棟(急性期治療病棟)が完成した際、従来の居場所の提供機能に加えて、急性期退院後の、まだ症状の残っている患者さんを支援し、症状を安定させる機能を設けようということで、デイケアの名称を「デイホスピタル」へと変更しました。
 「デイホスピタル」は、「部分入院」や「昼間入院」にあたります。退院後、日中は入院中に近い環境で過ごしていただき、夜間は自宅で休んでいただくことを目的としています。ハード面からも、別棟としてデイケア棟を建てるのではなく、病棟の並びに活動場所を設けることで、「病院の一部」、「病棟のひとつ」という側面をもたせています。
 デイホスピタルに個室ベッドを1床用意していることも同様の目的です。退院後の患者さんは交通機関を利用することや人目が気になるなど、通所自体がストレスとなり疲労を訴えることが少なくありません。まずは安心できる場所を提供することを目的とし、活動に参加することを強制するのではなく、疲れたら休んでもらう、というスタンスで臨んでいます。また、病院の外来にも2床のベッドがあり、必要に応じて活用しています。
 デイホスピタルが病棟内にある利点は他にもあります。外来入り口を入って階段を登るとすぐにデイホスピタルの活動場所があり、職員がロッカー室へ行く際の通り道にもなっています。朝、夕は全職員が必ずここを通るため、メンバーさんが馴染みの職員に回復状況を報告したり、逆に職員が退院後の患者さんの回復を実感できたりする場にもなっています。

デイホスピタルの活動内容

デイホスピタル活動場所
デイホスピタル活動場所

 入院中から「プレデイホスピタル」として試験通所することができます。「プレデイホスピタルパス」では、活動の目的、活動内容、利用料金についての説明をします。ご自身の都合とプログラム内容とを考慮して、通所する曜日や回数を決定します。その後、1ヵ月間という期間をかけてデイホスピタルの活動に参加していただき、施設やスタッフ、他のメンバーさんになれていただきます。
 「退院」は、ご本人にとっては環境の変化がストレスになる場合も多く、デイホスピタルになれていただくことで、安心して退院できる環境を整えるという意味があります。午後の活動で入院時に馴染みのある作業療法室を使用することも、同じ効果を狙ってのことです。
 音楽療法士による音楽療法など、プログラムはありますが、利用者像に応じて臨機応変に対応しています。例えば、独居の男性が多い日にはグループを作り、日頃困ったことを話し合う機会をつくり、就労したい、という人が多い日には履歴書を書くプログラムを行ったりしています。
 個別の就労支援も実施しています。最近はアルバイトをしたい、というケースが増加しています。ひとりが決まると私も、という連鎖反応もあるようです。現在、プログラムとして就労支援は設けていませんが、ケースに応じて個別に対応しています。病気のことをオープンにした場合のメリット・デメリット、クローズにした場合のメリット・デメリットを説明し、どちらの方向でいくかなどを決定します。障害者枠で仕事をしたいということであれば、担当医との相談のもと、ハローワークまで作業療法士やPSWが付き添います。その他、ハローワーク主催の講座を紹介して、申し込みの支援をし、就労支援B型施設、職親制度、障害者リハビリセンターと連携するなど、個別の関わりを続けています。まだ数は少ないですが、就労につながったケースも出てきており、今後も力を入れて取り組んでいきたいと考えています。
  PDFプレデイホスピタルパス(PDF:256KB)

訪問看護

 退院前訪問と同様、訪問看護も多職種で行います。過去に怠薬があった方、何度も入退院を繰り返している方などには、カレンダーなどを使用して、患者さんが目でみて確認できるように服薬管理法などを工夫しています。
 退院後に病状に加えて発生する、生活面の問題への対応を支援することも目的のひとつです。部屋が散らかっている場合には、スタッフから「一緒に片付けようか」と声をかけて、掃除の仕方を指導したり、ヘルパーの導入を検討したりします。料理がつくれていないようであれば、デイホスピタルで料理のプログラムへの参加を促したり、宅食の導入を検討したりします。お金の使い方に問題があるようであれば、デイホスピタルと連携してお小遣い帳をつける活動につなげたり、社会福祉協議会に金銭管理を依頼したりします。
 訪問看護スタッフは3名と限られていますが、退院後1ヵ月間の不安定になりやすい時期には病棟の看護師、必要に応じて作業療法士、PSWも参加することで、平成21年度には延べ4,095件の訪問を実施しました。