Home > ニュース > これからの展望 > 医療計画と精神疾患(PAGE 4)

医療計画と精神疾患

7.身体科医療と精神科医療とをつなぐ横軸の連携(水平連携)

 身体科医療と精神科医療との水平連携は、比較的なじみがうすいかもしれない。しかし、いくつかの地域でも独自に開発して具体的な運用が始まっている(表7)。また日本精神科病院協会では、「オレンジ手帳(案)」という地域連携クリティカルパスの開発を進めている。

PDF表7 認知症パス」(PDFファイル:108KB)

8.うつ病治療における連携

 うつ病については、垂直連携と水平連携が混在している場合がある。専門家の中でもさまざまな考え方があるところが難しいが、うつ病の受療者が100万人を超え、気が付かれない未治者もいることが想定される一方、うつ病を専門とする精神科医が限られているという実態を直視する必要がある。現実的には、うつ病の診断や治療方針の決定等に、限られた精神科医の専門性を生かす仕組みを作る必要があると考えられる。
 この観点からかかりつけ医が精神科医を紹介する精神科地域連携クリティカルパスのイメージを図2に示した。「患者手帳」という形で情報共有を行い、精神科と身体科との伝言板の役割を担うように設計されている。

PDF図2 精神科地域連携クリティカルパス(イメージ)」(PDFファイル:78KB)

9.おわりに:地域連携のポイント

 5疾病5事業となり、精神疾患が都道府県の医療計画に盛り込まれると、地域連携が加速化する。その具体的指標として、(1)地域連携会議と、(2)地域連携クリティカルパスは求められることになる。地域で精神疾患を有する住民の治療を話し合う地域連携会議の設定は、早く取り組むことが求められる。その中で、先行事例を参考にしながら地域連携クリティカルパスを開発していくことになるであろう。
 地域連携が活発になると、それぞれのサービス間の移動が頻繁になり、連携する頻度が高くなる。主治医はひとりでなく、精神科の主治医と身体科の主治医が併存する「二人主治医」の体制が一般的になるであろう。医療提供者側の意識改革とともに、このような体制が強化される仕組みの構築が必要である。