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医療計画と精神疾患

5.地域連携の強化と精神科地域連携クリティカルパス

 医療計画のめざす方向のもうひとつポイントは、地域連携が明記されているということである。 「連携」という言葉は臨床で古くから使われてきた。また、1990年代から進められてきた医療機能分化の施策は、それぞれの機能をつなぐことを前提としており、機能分化施策には連携機能が内包されていた。
 ただし、一般的に分化する機能(例:急性期病棟やデイケア・訪問看護サービス)を具体化することが中心であり、連携は各医療機関に一任されてきた。近年「連携」という言葉がクローズアップされてきたことは、機能分化と連携というセットの施策が、新たな段階に入ったと考えることもできる。
 表5は、「医療計画の見直し等に関する検討会」の最終回(2011年12月16日)で示された精神疾患に関する医療計画(イメージ案)を簡略化したものである。「病期」と「状態像」に分けて示されている。「連携」がキーワードとなっていることが理解できるだろう。

PDF表5 精神疾患に関する医療計画(イメージ案)」(PDFファイル:34KB)

 同じ検討会で、「参考」として資料となった精神疾患の医療体制を図1に示す。それぞれの機能を連携でつないでいる。医療計画においては、「連携」が表舞台に立つという特徴がある。その具体的な場が地域連携会議であり、ツールが地域連携クリティカルパスである。2007年に4疾病の医療計画が示されたことから、大腿骨頚部骨折だけであった地域連携クリティカルパスの診療報酬(地域連携診療計画管理料・地域連携診療計画退院時指導料)に脳卒中が追加され(2008年)、2010年にはがん領域でがん治療連携計画策定料・がん治療連携指導料が新設されている。

PDF図1 精神疾患の医療体制(イメージ)」(PDFファイル:74KB)

6.精神科急性期医療と地域ケアとをつなぐ縦軸の連携(垂直連携)

 精神科医療における地域連携にはふたつの軸がある。精神科急性期医療と地域ケアとをつなぐ縦軸の連携(垂直連携)と、身体科医療と精神科医療とをつなぐ横軸の連携(水平連携)である。縦軸の垂直連携は、すでに精神科医療では定着しているであろう。それをクリティカルパスの形式で形にすることが有効であろう(表6参照)。

表6 退院支援パス