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MMSニュース No.90

3.入院料についての論点

 12月2日の中医協・診療報酬基本問題小委員会(第152回)では、入院料の論点が示され、精神病棟13対1入院基本料の新設等について議論が行われました。
 また、12月4日の中医協・診療報酬基本問題小委員会(第153回)では、専門的入院治療の論点が示され、アルコール依存症や摂食障害等に対する入院治療について議論が行われました。

入院料についての論点
(1)精神病棟入院基本料についての論点
表1 病棟区分別の入院基本料の点数・基準一覧

 看護職員の配置に応じて、一般病棟入院基本料では7対1(準7対1)、10対1、13対1、15対1の4段階の評価を、結核病棟入院基本料では7対1、10対1、13対1、15対1、18対1、20対1の6段階の評価を、精神病棟入院基本料では、10対1、15対1、18対1、20対1の4段階の評価を行っています。(表1)
 そのため、精神病棟入院基本料の論点としては、「13対1入院基本料の評価が行われていないが、精神病棟の評価として妥当な評価となっているか」が示されました。
   いわゆる総合病院の精神病棟は、一般病棟と同等の看護職員の人員配置(15対1以上)が医療法上で求められており、その結果、いわゆる総合病院の精神病床の閉鎖が増加しているのが現状です。
 身体合併症に対応するためにも、精神病棟13対1入院基本料の新設に反対する意見は無く、新設されることが予測されます。新設されるとしても、「身体合併症を有する患者が何%入院していること等の算定要件」や「身体合併症に対応するため、総合病院の精神病棟を対象とすべき」等の意見が出されており、平均在院日数設定の有無を含め精神病棟13対1入院基本料の算定要件の動向が注目されます。
 また、精神病棟入院基本料には7対1入院基本料は設定されていませんが、7対1入院基本料の論点で、「平成18年度改定で、7対1看護配置を評価したが、入院患者の高齢化が進み、認知症を併発した患者の割合が上昇する中で、体位変換や食事介助などの療養上の世話が増え、7対1や10対1病院において看護要員が十分でないとの指摘があるが、これについてどう考えるか」が示されています。
 つまり、看護補助加算を算定することができない7対1入院基本料及び10対1入院基本料でも算定を可能にすることが議論されました。7対1入院基本料及び10対1入院基本料における補助加算の算定は合意されており、精神病棟10対1入院基本料でも算定が可能となることが予測されます。なお、看護補助者よりも介護福祉士の配置が望ましい等の意見が出され、算定要件や対象職種がさらに検討されるかもしれません。

(2)専門的入院治療についての論点

 専門的な医師やスタッフ等による治療が必要な疾患(1.アルコール依存症、2.摂食障害、3.強度行動障害を伴う知的障害・発達障害)については、その疾患の特性から専門の病棟における治療が必要です。
 現行の診療報酬では、アルコール依存症等の専門的治療については入院及び集団精神療法で、摂食障害の治療については心身医学療法で、強度行動障害を伴う知的障害・発達障害児(者)については障害者施設入院基本料等で評価しています。
 専門的入院治療の論点としては、「1.有効性が明らかとなっているアルコール依存症の専門的な入院治療について診療報酬上の評価についてどう考えるか、2.専門的な入院治療を提供する医療機関における摂食障害に係る診療報酬上の評価についてどう考えるか、3.重度の行動障害により看護必要度が高く合併症の早期発見・治療が必要な患者(強度高度障害を伴う知的障害・発達障害児等)について診療報酬上の評価をどう考えるか」が示され、患者特性に合わせた特別の入院料や報酬の引上げ等の議論が行われました。
 「アルコール依存症」及び「重度の行動障害により、看護必要度が高く、合併症の早期発見・治療が必要な患者」については、医療機関の負担が非常に高い現状に鑑みて、積極的に評価すべきとの意見が出され、特別の診療報酬の設定が予測されます。
 一方、「摂食障害」については、「医療機関の負担はそれほど高いだろうか」との意見が出され、継続審議となっています。