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MMSニュース No.90

(1)介護保険と連携し認知症にかかわるネットワーク(相談・支援体制)の整備

 認知症の患者数は増加しており、特にアルツハイマー病が著しく増加しています。さらに、1年を超える長期入院の患者も増加しています。
 認知症病棟に入院している患者の退院可能性に関する調査結果では、認知症病棟に91日以上入院している患者のうち45.6%が退院可能とされていますが、これらの患者が退院に結び付かない理由として、「転院・入所順番待ち」が53.7%と最も多くなっています。
 そのため、認知症の入院に関しては、在宅あるいは介護保険との連携が非常に重要で、「認知症にかかわるネットワークの体制整備を進めていくための診療報酬上の評価」が論点として示され、議論が行われました。ただし、診療報酬上の対応のみならず、認知症地域医療支援事業(認知症サポート医養成研修事業、かかりつけ医認知症対応力向上研修事業)等のサポート施策を総合的に行うことが重要となります。

(2)認知症の入院患者(ADLへの濃厚な支援)
図3 認知症:周辺症状に対する手厚い医療への評価

 認知症の入院医療では、精神・行動面の症状が特に著しい重度の認知症患者を治療することを目的とした認知症病棟入院料を精神病棟に設けており、平成20年度診療報酬改定で、入院早期(90日以内)の評価を引き上げ、91日以上の評価を引下げています。(図3)
 認知症の入院患者は、認知症病棟以外では精神療養病棟や一般の療養病棟に入院していると考えられます。一般の療養病棟では、医療区分やADL区分に応じて9区分に区分され、診療報酬上は5区分で評価されていますが、精神療養病棟は患者の病態像によらず一定の評価となっています。
 そのため、認知症の入院患者については、「ADLへの濃厚な支援が必要であり、診療報酬上、どのような対応が考えられるか」が論点として示され、議論が行われました。
 精神療養病棟の入院患者調査は十分にできていないため、丁寧に病状、病態、ケアの必要度をみていく必要があります。そのため、認知症患者のADL区分や医療必要度について「徘徊・暴力行為等の周辺症状を『見守る』及び『監視』が必要である。そういった通常よりも広いADLの概念があるのではないか」との考え方が表明されました。平成22年度改定には間に合わないが、精神療養病棟における実態調査と、それを踏まえた認知症患者の区分等が平成24年度診療報酬・介護報酬の同時改定時に行われることが予測されます。

(3)認知症の外来医療(専門医療機関と地域のかかりつけ医の連携)

 認知症の患者数は増加しており、特にアルツハイマー病が著しく増加しています。
 認知症の症状には、物忘れや判断力の低下等の中核症状と、中核症状に伴って現れる徘徊・暴力行為といった精神・行動面の症状である周辺症状(BPSD)に分けられます。

図4 認知症の経過と医療の必要性

 認知症の外来医療では、専門医療機関(認知症疾患医療センター等)での鑑別診断や周辺症状の急性期対応(BPSD、合併症等)が重要となります。平成20年度診療報酬改定では、かかりつけ医が認知症の疑われる患者を早期に発見し、専門医療機関に紹介した場合を評価するため、診療情報提供料(T)の加算(認知症患者紹介加算)が新設されています。(図4)ところが、紹介先となる認知症疾患医療センターの設置が全国で約50箇所(150箇所設置予定)であり、算定件数は200件と少ない状況です。鑑別診断等を行う専門医療機関等の体制整備が不可欠と考えられます。
 そのため、「専門医療機関と地域のかかりつけ医が連携して医療を提供していくための診療報酬上の評価」が論点として示され、議論が行われました。