Home > 薬剤業務 > DAI-10、DIEPSSを用いた薬剤業務の有用性 (PAGE 1)

DAI-10、DIEPSSを用いた薬剤業務の有用性

東邦大学薬学部 医療薬学教育センター 臨床薬学研究室
教授 吉尾 隆

1.はじめに

 平成20年8月28日、日本学術会議薬学委員会専門薬剤師分科会から“専門薬剤師の必要性と今後の発展−医療の質の向上を支えるために−”という提言が出されました。
 本提言では、専門薬剤・高度専門薬剤師は、チーム医療において医師の負担を分散し安全で安心できる薬物療法を提供するために、薬物療法に関して身に付けた高度な知識・技能を活用し、薬物療法の安全性と有効性の確保に責任をもって行動しなければならないとしています。具体的には、① 当該専門領域のハイリスク医薬品の適正使用・ハイリスク患者の重点管理を推進する。 ② 当該専門領域の医薬品の副作用・相互作用マネージメントのための臨床検査・薬物血中濃度測定のオーダーを医師に代わって行い、必要な対応を提案する。 ③ 副作用の重篤化回避や治療に難渋する患者への対応について、医師との協働のもと、処方の提案や処方設計を分担する。 ④ 高度な医療判断に備えて医薬品情報を収集し、評価・活用する。などを積極的に実践すべきであるとしています。さらに、高度専門薬剤師においては、上記に加えて、当該専門領域の先端的な薬物療法についての医師との研究協力、専門薬剤師の指導・監督を行う必要があることを求めています(日本学術会議では、認定薬剤師、専門薬剤師とせずに専門薬剤師、高度専門薬剤師としている。)。

2.精神科における薬剤師の専門性と薬剤師業務

 精神科領域における薬剤師の専門性として、薬物療法を安全に、効果的に実施するための知識と技術が求められています。薬剤師には、従来、精神症状や副作用を評価するための技術と方法はありませんでしたが、日本学術会議の提言を受けてバイタルサインのチェックなどを行う動きが出てきています。血圧測定や脈拍を診ること、聴診器を使用して心音や腹音を聴くことなどを行い、副作用に注意して効果的な薬物療法の実施に薬剤師も積極的に参画しなければならない時代となっています。したがって、精神科薬物療法においても薬剤師による精神症状や副作用の評価は、安全で効果的な薬物療法の実施のために重要となります。