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精神科薬剤師が取り組む新しい試みへの提案

東邦大学薬学部 医療薬学教育センター 臨床薬学研究室
教授 吉尾 隆

 精神科領域における薬剤師の専門性を向上させ、精神科チーム医療において薬剤師職能を十分に発揮するために、精神科専門薬剤師・精神科薬物療法認定薬剤師認定制度が始まりました。精神科専門薬剤師・精神科薬物療法認定薬剤師には、1)精神疾患の病態と患者特性を十分理解していること、2)向精神薬の薬理作用を十分理解していること、3)高度な薬物療法に関する知識と多くの臨床経験を持ち、患者個々の症状や状況に合った薬物療法を医師、患者の双方に提案できること、4)向精神薬による副作用の予測ができ、その解決方法を熟知し、医師、患者の双方に提案できること、5)精神疾患患者との良好なコミュニケーションができ、薬物療法について話し合うことができること、6)適切な薬物療法の提供による精神疾患患者の社会復帰を支援し、地域においても薬学的管理ができること、7)精神科薬物療法に関する研究ができること、8)精神科医療及び精神保健福祉を十分理解していること、の8つの条件を満たすことが求められています。
 精神科薬物療法認定薬剤師は、臨床における薬物治療のエキスパートですが、更に薬物治療の質的向上を目指すためには、その業務を研究していく能力が必要です。つまり、精神科薬物療法認定薬剤師の役割は、薬物治療の維持(効果・副作用・相互作用などのモニターによる)、処方支援(適切な薬物治療を行うための支援)、処方設計(適切な薬物治療の提案)であり表1)、精神科専門薬剤師の役割は、これらに加え、研究、教育、指導、新たな薬物治療の提案であることになります表2)。したがって、精神科専門薬剤師には、研究能力とその研究に基づいた専門性が求められるため、認定要件として学会発表と学術論文が課せられています。

表1 精神科薬物療法認定薬剤師の役割
 
表2 精神科専門薬剤師の役割

0(09.05.08)