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リスクマネージメント2

3)投薬の管理

 薬剤師法第25条の2により、薬剤師は患者に対して正しい薬剤と情報の提供が求められています。精神科においては、特に統合失調症の患者では服薬に対するモチベーションの形成のため一般診療科とは異なる医薬品情報の提供が求められます。用法・用量のみならず、期待される効果と副作用,副作用の対処法などについて一回の情報量があまり多くならないように注意しながら情報提供(服薬指導)を行う必要があります。また、この際、患者がこれまで体験してきた薬物療法に対する印象も重要な視点となります。つまり、過鎮静や錐体外路症状などの副作用や医療者から「無理矢理薬を飲むことを強要された」などの経験は、服薬の継続に支障を来します。また、気分(感情)障害の患者では服薬の初期に様々な副作用が生じる可能性があり、やはり、服薬の継続の障害となります。このように、精神科領域では、服薬が必ずしも患者の回復に対する期待に沿っていないばかりか、かえってQOLを障害してしまう場合があり、投薬の管理では,このような点にも十分な配慮を行うことが、服薬の中断による再発・再燃といったリスクを回避するために必要となります。

4)モニタリング

  • 図4
    モニタリング

 精神科における薬物療法で重要なことは,服薬状況のモニタリングです。患者が指示された通りに服用しているかどうかモニターすることが重要ですが,殆どの場合,それを客観的におこなうことはできません。特に統合失調症の患者では服薬の中断は再発の最も大きなリスクとなります。したがって,服薬が規則正しく継続できているかどうかをモニターすることは治療上の大きなリスクマネージメントとなります。

 服薬や薬剤自体に対する反応をモニターすることは「薬の飲み心地」や「副作用」をモニターすることであり,副作用の早期発見と改善は服薬の継続のため重要です。また,現在選択されている薬剤の効果のみならず服用方法や投与回数などを再検討することで服薬に対する印象(自覚的薬物体験)が良好になります。