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服薬指導2 気分(感情)障害1

桜ヶ丘記念病院
吉尾 隆

Ⅱ.気分(感情)障害の薬物療法と服薬指導

1.躁病における薬物療法

1)一般的な躁病に対する薬物療法

 多幸感を伴う古典的な躁病患者に対しては炭酸リチウムが最善の治療薬とされていますが、重篤な躁状態のために速やかに安定させる必要がある場合にはバルプロ酸ナトリウムが一次選択薬となります。二次選択薬としてはカルバマゼピン、炭酸リチウムとバルプロ酸ナトリウムの併用が行われます。

2)混合性エピソード、不快気分を伴う躁病、急速交代型うつ病に対する薬物療法

 混合性エピソード、不快気分を伴う躁病、及び急速交代型躁病の患者さんに対してはバルプロ酸ナトリウムが使用されます。

3)精神病性の躁病に対する薬物療法

 精神病性の特徴のある躁病患者では高力価の抗精神病薬(ハロペリドール)を追加し、不眠、焦燥感の強い場合はベンゾジアゼピンを追加します。

2.うつ病相における薬物療法

 うつ状態、うつ病では抗うつ薬以外の薬剤も多く使用されます。抗うつ薬の効果の発現には2〜3週間かかることから、その間の不眠や不安、焦燥感の緩和に抗不安薬を併用します。また、気分安定薬や抗精神病薬を併用することもあります。抗うつ効果をもつ抗不安薬もありますが、単独ではうつ病に対する効果はないと言われています。

1)うつ病性エピソードの急性期の薬物療法

 一次選択薬はSSRIでありその他の選択薬としてMAO阻害剤、三環系抗うつ薬などを用います。また、うつ病に単独で用いる気分安定薬は炭酸リチウムが一次選択薬となります。

2)うつ病性エピソードにおける不眠および精神症状に対する補助的薬物療法

 不眠に対しての一次選択薬はベンゾジアゼピン系薬剤であり、さらに症状の改善がみられなければ、二次選択薬としてトラゾドンの追加あるいは鎮静作用のある三環系抗うつ薬を用います。三次選択薬として非精神病性の重症の焦燥うつ病には定型抗精神病薬または非定型抗精神病薬を用います。