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業務連携1

桜ヶ丘記念病院
吉尾 隆

はじめに

 精神科医療における薬剤師業務の認知度はまだ高いとは言えません。しかし,この数年間の間に,薬剤管理指導業務の進展により,精神科薬剤師業務は大きく見直されようとしています。今回は,精神科薬剤師業務における業務連携というテーマについて、精神科薬剤師業務が医療チームの中でどのように機能すれば良いかを中心に考えてみたいと思います。現在、精神科医療は患者さんを病院に入院させて治療を行うことから、できるだけ地域社会でサポートし、外来での治療を行うことへと方向が転換されています。このような流れの中から、今後精神科病院における薬剤師の業務連携も施設内での連携から地域における保険薬局や社会資源のスタッフとの連携へとその範囲が広がっていくと考えられます。

I.精神科病院における連携

 近年、薬剤管理指導業務は進展したとはいえ、精神科病院における薬剤管理指導業務の届出率は約50%であり、実施率は約18%とまだまだ低迷しています。これは、精神科医療における診療報酬のあり方や医療法における人員配置基準と無関係ではありません。

1.精神科病院に薬剤師は何人勤務しているか

 現在、精神科病院は全国に約1、060程度あるとい言われています。そこに勤務する薬剤師の数は約3、000人と言われており、1施設当たり約2.5人の薬剤師が勤務していることになります。精神科病院とは、病床数の80%以上が精神科病床である病院を指し、これ以外は精神科病床を持っていても精神科病院のカテゴリーには属しません。

1)医療法と精神科病院薬剤師

 精神科病院に勤務する薬剤師の配置規準は医療法により規定されており、「入院患者150人に1人の薬剤師+外来処方せん枚数75枚に1人の薬剤師」となっています。日本病院薬剤師会による平成14年度の病院調査による精神科病院616施設のデータでは ・1日平均入院患者数:約293人 ・1日平均外来患者数:約76人(内院外処方せん枚数:約36枚) であり、医療法の規定により必要薬剤師数を計算すると ・293/150+(76−36)/75=2.49人 となり、端数は切り上げることから3人の薬剤師が必要となります。しかし、実際の薬剤師数は本調査に回答を寄せた616病院において1施設平均約3.9人となっており、医療法の規準では精神科病院における薬剤師業務の実施は事実上困難であることを示しています。