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2012年同時改定の重要ポイント 2025年の大改革に向けてのプロローグ

改革シナリオでは病床機能分化の徹底と相互連携を深化
医療の仕組みの枠組みを“変える”ことに主眼 

病床区分で「地域一般病床」の考え方が浮上 25年に精神病床は27万床・在院日数270日

 2000年に公的介護保険制度が導入されて以来、二度目の介護報酬改定との同時改定となった「2012年診療報酬改定」の全容が明らかになった。診療報酬全体では+0.004%の僅かな引き上げ分に、約5500億円の財源を投入。うち4700億円が医科に充当され、500億円が歯科、300億円が調剤に配分された。
 今回の改定は先日、野田佳彦首相により閣議決定が行われた『社会保障と税の一体改革』で描かれた、2025年に向けての医療の“あるべき将来像”を踏まえて、個別の制度設計の議論が行われたのが大きな特徴だ。25年は団塊の世代が一斉に75歳以上を迎え、65歳以上人口が3500万人に達すると推計され、高齢化社会のピークを迎える2042年の「入口」に当たる年。25年までに3回の同時改定が予定されているが、高齢化で激増する医療・介護ニーズに対応すべく、同一体改革で示された改革シナリオを基本に、がん、脳卒中、精神疾患等の5疾病・5事業の計画的整備を目標とした地域医療計画や障害福祉計画、医療法等の法令改正と相互作用させながら、25年のゴールに向けて段階的に診療報酬の制度設計が行なわれていくことになる。改革シナリオでは“施設から地域へ、医療から介護へ”と謳われているように、施設「入院」から「在宅」医療へのシフトをメーンとした、地域医療全体の機能分化・再編が推進される見通しで、25年の目指すべき社会保障のグランド・デザイン構築に向けての一里塚として捉えることができる。言い換えると、単なる医療費・介護報酬の改定にとどまらず、2025年の大改革に向けて、日本の医療の仕組み全体の枠組みを“変える!”ことに主眼を置いた改定として注目される。
 改革シナリオで示された目標(図表1)では、2011年段階で107万床在る一般病床は、25年には高度急性期・一般急性期・亜急性期等に再編。各ニーズの単純な病床換算では高度急性期病床が22万床、一般急性期が46万床、亜急性期等が35万床と見込まれている。
 一方で議論の中では、地域一般病床という新しい病床区分の考え方が浮上した。地域一般病床とは医療資源が少なく、明確な機能分化が図りにくい地方の病院に関しては、地域の実情に応じて高度急性期から一般急性期、亜急性期まで対応可能な幅広い機能を担う病床を運用しようとするもの。改革シナリオでは地域一般病床を24万床と想定しており、その場合には高度急性期18万床、一般急性期35万床、亜急性期26万床と見込んでいる。
 精神病床に関しては、25年までに27万床・平均在院日数270日程度との推計で、2011年度の約35万床・300日程度と比べると、精神疾患患者数が増加傾向で推移しているにも関わらず、退院・地域移行の促進により、精神病床は著しく圧縮されることになる。

改革シナリオで示された必要病床数の見込み表 2025年改革シナリオの精神科医療における主な充実、重点化・効率化要素(抜粋)