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医療連携の要諦と新しい潮流(1)

2006年の「紹介患者加算」唐突の廃止で、紹介率の概念が希薄に

 「病診連携」や「医療・福祉・保健」の連携の重要性が叫ばれて久しいものの、現実には「連携」の言葉だけが独り歩きしている感は否めず、全国の医療現場では診療所の開業ラッシュに誘発される中小病院と専門クリニックの競合・競争や、大病院による看護師等医療スタッフの“囲い込み”により、大病院と中小病院の顕著な「緊張関係」が露出している地域も散見されます。
 2000年の公的介護保険の導入により、医療・介護サービスの境界線が明確に引かれたことで、医療・福祉連携を促進させる起爆剤となったのは事実ですが、2006年に「介護療養型医療施設」の廃止が政策決定されたことにより、改めて高齢者医療・福祉の領域はボーダレス化しつつあり、医療・福祉・介護の今後の連携に混乱を招いている状況があります。
 2006年4月の診療報酬改定で、「診療情報提供料」の従来の四区分が一本化されセカンド・オピニオンに関する情報提供料の区分が加わり、合計二区分へと簡素化。点数が引き下げられました。また厚生労働省は、患者紹介率に応じて初診料に加算出来る「紹介患者加算」を唐突に廃止しました。診療報酬上から紹介率という概念が無くなり、従来の「紹介率30%が急性期病院の指標」という考え方も完全に方向転換が余儀なくされた訳です。これまで地道に医療連携を進めてきた病院には大打撃で、医療連携が“後退する”ことが危惧されます。「医療連携」は何よりも“患者に最適の医療を提供する”という考え方を優先して、推し進められなければなりません。またそのためには、“情報の共有化”が何よりも重要で、インターネット・電子カルテ・ICカード等のマルチメディアが大きな武器となります。こうした前提を踏まえて、具体的な病診連携の取り組みをご紹介しましょう。