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「病院広報活動事例集(3)クリニックのネーミング徹底検証」

患者が特徴を正しく認知できる“ネーミング”が必要

 医療機関の「名称」がどこまでが可能かについては、各都道府県の担当者によって解釈がまちまちで、ある県において認められた名称が、他県では認められないといった事例も少なくありません。治療方法、技能等に関しては「医療法施行令5条の11」に規定される診療科名に限り、これを表記することが可能とされていますが、ただし実態と異なる名称や、意味の分かりにくい外国語等の名称は、患者の利便を考えると認められないとされています。ただ“どこまでが認められるのか?”という基準は各都道府県によって異なり、極めてアイマイな状況です。具体的には『○○こどもクリニック』や『××マタニティークリニック』は現在一般的に普及していますが、『□□漢方クリニック』が認められているケースは稀です。
 開設者(院長)が頭をひねって、親しみやすく、医院の機能や特徴が分かりやすいネーミングを思いついたとしても、行政の“前例主義”に阻まれてしまうケースも少なくありません。
 診療所名称の認可について、某県庁に聞くと「あくまでも法令を遵守し、“患者さんにとっての利便性”を第一に、受理段階で判断している。本来は他の自治体と共通のモノサシが必要と思うが、申請のあった個々のケースバイケースに適切か否かを判断するので、画一的な基準を作るのは現段階では難しい。外来語等の名称については、一般的に分かりやすいかどうかという観点から判断する。これまでの例としては、府の方に一度受理されたが、“不適切”と判断して名称変更をお願いしたケースもあるし、診療所側が名称を変えなかったケースもあるが、罰則規定というものはない」と、いかにもお役所らしい回答。名称として認めなかった具体的事例とその理由について問うと、「個々のケースについては答えられない」との返事が返ってきました。
 あるコンサルタントは一つの例として、厚生労働省が基本的に○○ペインクリニックという名称を認めないために、麻酔科医師の開業希望者が増えているにも関わらず、そのことが新規開業のネックになっていることを指摘しています。病態そのものが専門化・多様化する中で、患者がきちんと認知できるネーミングが求められているにも関らず、行政側がまだ時代の変化や患者側のニーズに追いつけていない状況があるという訳です。こうした前提を踏まえて、各地域の診療所のユニークな名称決定に至るストーリーを見ていくことにしましょう。