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人事管理第2回

一連の仕組み(求めた人材が育ち力を発揮、
それを適切に評価して各自が次のステップ)を体系化
〜まず経営トップが「自院の理想職員像」を理念に描く〜

 今回は、具体的に人事管理体制を構築する際に踏まえるべき基本事項や、取り組み上の留意点、管理体制の一般的な仕組みなどについてです。今後、各論に入っていく前にサマリーとして全体像を紹介します。

 

 人事管理体制(※1)は、実施するための仕組み、評価するための仕組み、その評価を生かす仕組み−などから成り立ちます。 制度の対象が「人」であるため「方針の決定→計画の立案→実施」というきちんとした流れで、取り組む必要があります。

 人に関するプランは基本的には、自院にはどんな人材が必要かという理念形成から始まります。専門職が必要人数分だけいれば良いと言うことではなく、求める人材像が明確になっていなければなりません。これが伴わないと、必要な時に募集・採用し、適度な定着(給与が上がったら辞めて欲しいという発想での対応)に努める、ということになりかねません。 前号の背景紹介でも触れたように、こうした旧態依然の考え方では、今後の医業経営に展望は開けないでしょう。

 まず、理事長や院長が、どういう仕事をしてくれ、患者にはどう接してくれる人材が欲しいか、などの考え方を打ち出し、それを経営理念の一部に盛り込むことです。  求める人材によって評価の仕方も違ってくるでしょうから、最初にこうした考えを固めることが大切です。 そして、求めた人材が院内で育ち、定着して力を発揮し、それを適切に評価できる体制があって、現場の業務は円滑に進む、というような形に持って行く必要があるわけです。

 たとえば、接遇の重要性がありますが、これも人事管理にかかるテーマです。この場合、応対マニュアルにあるような言葉遣いや仕草だけを励行させ管理するのではなく、きちんとした接遇ができる人材を育てるシステムであることが求められます。 (※2)各スタッフの仕事を評価する仕組みが重要になり、それは、求める人材像や理念が評価項目として展開され、チェックできるものでなければなりません。

 仮に、理念(の一つ)が「患者に優しい病院」だとしたら、その実現のために、どういうことができれば良いか、どうあれば良いか、という視点で(誠実性や協調性などのような面を)評価する、といったことです。

 また、評価については、知識・経験を見る項目、知識・経験をどれだけ使えるかを見る項目、さらに、その結果(業績)を見る項目が必要です。

 一方、各スタッフの個々の目標がはっきりしていないと、適切な評価ができないため、それぞれに目標を設定させたり(目標管理制度)あるいは個人、組織別に業務として何を担うかを明確にさせる(業務分掌)必要もあります。

※1 人事管理制度は、どの病院も同じというものではありません。経営理念が病院ごとに異なるように様々な形態があってしかるべきです。

※2:ポイントアドバイス
初期のプランとしてトップの理念形成が極めて重要です。
  自院が、地域のどんなポジションにあるか、どんな医療サービスを期待されているか、などを十分に顧みて、求める人材像を明確に打ち出しましょう。