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人事管理第1回

人材の育成と適正な評価
マンパワーの効率的活用/目的を明確にし管理体系を構築
〜医療機関にも経営戦略を踏まえたシステム運営が必要〜

 今回から、人事管理について取り上げます。初回は、医療機関にとって、なぜ今、人事管理体制の構築が重要であるかなど、経営環境という背景やシステムづくりの意味などから考えてみます。

 

 今まで、医療機関に、一般企業が行っているような人事管理制度(※1)を取り入れているケースが、果たしてどのくらいあったでしょうか。おそらくは、多くの病医院が、人事管理ということをそれほど強く意識せずに来たのではないかと思われます。

 分かりやすいところで言うと、たとえば、賃金体系です。従来から年功序列(※2)の考え方がすっかり定着していて、給与改定を行うにも全職員を画一的にとらえ、アップ率も一律だった、というケースは少なくないでしょう。

 しかし今後は、こうしたやり方をそのまま引き継ぐわけにはいきません。

 なぜなら「年功序列で一律幅アップ」は、診療報酬改定が、ある程度の幅で行われた時代が許したことだからです。言うまでもなく近年は、改定率が抑えられていますから、ベースアップの財源確保もままならない状態でしょう。 また、事業展開の成果を左右するマンパワーについては、人材から「人財」というとらえ方も生まれています。そんな中で、人財を育成し、能力に応じた業務を与えて適切に評価する、あるいは効率的に機能させる、といったことを実現するためには、しっかりした人事管理体制の構築が求められるわけです。

 一方、医療機関の運営(※3)は、まだ組織的とは言い切れない面もあります。それは、診療現場で有資格者がそれぞれの職能を発揮していれば、結果的に経営が成り立ってきたからでしょう。 しかし最近は、マンパワーのタテ・ヨコのつながりが重視されます。ご承知のように、診療報酬のインセンティブでも、チーム医療を評価する方針が打ち出されるなど、組織的な取り組みは重要性を増しています。 つまり、事業の組織運営のためにも、マンパワーを管理するシステムである人事管理制度は不可欠になるのです。

※1「人事管理」とはヒト、モノ、カネなど事業に投下された経営資源を人の面から見ることで、最近は人的資源管理とも表現されます。

※2:ポイントアドバイス
年功序列ではなく能力主義を強める必要があります。職能を評価基準にする職能資格制度を自院に合った形で確立すべきです。

※3経営における人事管理の役割は、事業活動に適切なマンパワーを供給することと言え、採用から育成、賃金等までを含めた管理になります。