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研究結果を読む際に

2.情報の吟味

 根拠に基づいた実践を行うためのステップのうち、ここでは特に、収集された情報の吟味を行う時に留意すべき点について述べます。  根拠に基づいた実践を行うために情報を吟味するときに、留意すべき点として大きく分けて以下の二つが挙げられます。

  1. その研究が妥当であるかどうか(内部妥当性の問題)
  2. 示された研究結果が一般化できるかどうか(一般化可能性、外部妥当性の問題)

1)内部妥当性の問題

 内部妥当性とは、簡単に言ってしまえば「その研究の結果は妥当なのか?」ということであり、その研究それ自身の妥当性を問題とします。例えば

  • 用いられた方法は測定したいと思っていることを測定するのに妥当であったのか?
  • 測定したかったことがらは、それ以外の要因からの影響を受けずに測定されたか?

といったような事柄がこの内部妥当性に関係します。

 研究にはいろいろな種類の方法(デザイン)がありますが、その中でも、被験者を介入群と比較対照群に無作為に割り付けてその効果を比較する、ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial:RCT)は内部妥当性の高いデザインであるとされています。
  しかし、どのような研究にもランダム化比較試験を導入できるわけではなく、方法論上、あるいは倫理上の問題から、このデザインを採用できない研究も多数あります。
 ランダム化比較試験は薬剤の効果を比較する研究など、介入する内容や実施方法がはっきりとしていて(例:薬剤Fを1日○mg投与)、比較対照群(例:偽薬服用群)も設定しやすいような研究では実施しやすいのですが、心理社会的療法や、サービスの効果の評価を行うなど、介入内容や対照群の設定が単純でないものでは厳密なランダム化比較試験を実施するのは難しいとされています。

2)一般化可能性(外部妥当性)の問題

 一般化可能性とは、研究の中で示された結果を、研究環境以外(実社会)でも同じように示す(一般化する)ことができるかどうかということを問題にします。
 研究の中でどれほど効果のある療法であったとしても、実社会で適用するのは非現実的であるような療法であったり、実社会の条件のもとでは効果を示さなかったりということだとしたら、実践に用いる療法としては適しません。
 また、研究に参加した対象者に効果のあった介入が、自分が対象として考えている人々にも効果的であるとは限りません。研究に参加した集団と、世の中で多く見られる集団や自分が対象としたい集団が同質であるとは限らないのです。