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5年目を迎えたモザイク型被災地メンタルヘルス支援活動

「出前型支援」から「ICTを生かした地域自立型支援」への移行

 遠隔地から多職種専門家が交代で現地に赴く「出前型支援」は移動に要する負担が多大であり、今後の長期支援をより効率的かつ経済的に行い地域全体のケア能力を高めるには、被災地の伝統文化や行動規範を熟知した現地在住の人材を育成・支援して「地域自立型支援」に移行することが必要です。私たちは2014年9月から岩手県内の対人援護職を対象に、メンタルヘルス・リテラシーに関する普及啓発とメンタルヘルス領域の支援者育成研修を全16回(基礎編10回、応用編6回)開催しました。

 

≪災害復興メンタルヘルス研修会 基礎編≫
第1回 「被災者の声を聴く−Ⅰ」 第6回 「次世代のメンタルヘルス」
第2回 「心理学的応急処置」 第7回 「大規模災害被災地への長期メンタルヘルス支援」
第3回 「自殺に追い込まれる人の少ない地域から学ぶ支援計画とは」 第8回 「被災地支援の実際−メンタルヘルスの現状と課題(1)
第4回 「被災地における学び合いのサイクルを復興にどう向けるか」 第9回 「被災地支援の実際−メンタルヘルスの現状と課題(2)
第5回 「世界の被災地メンタルヘルス支援活動の紹介 第10回 「被災地支援の実際−メンタルヘルスの現状と課題(3)

 基礎編には登録受講者として53名が集まり、2015年10月にはその中から12名をインターンとして採用しすでにサロンの補佐的役割を担ってもらっています。メンタルヘルス非専門職による支援効果については、発展途上国などの医療過疎地域での実証的報告がなされています。といっても私たちは撤退するわけではありません。遠隔会議システム等のICTを使いこなすことで、距離と時間をこえた支援者支援を効率的に進めることを計画しています。

任意団体から認定NPO法人へ。ゴールは精神科救急事例化を最小とするコミュニティ作り

 米国からの助成金の受け皿には特定非営利活動法人(以下NPO法人)設立が要件となるため、任意団体として始めた本活動は2012年8月にNPO法人心の架け橋いわて(こころがけ)として再スタートを切りました。2014年12月に米国からの助成期間が終了となったため、活動資金確保のために競争的助成金への応募を始め、復興庁や岩手県等の大型助成金を獲得することができました。そして2015年3月、念願の認定NPO法人への昇格を果たすことができました。寄付者が税制上の優遇措置を受けることができる認定NPO法人になるためには、厳しい審査に耐えるだけの活動実績と組織運営基盤が求められます。日本の全NPO法人のうち認定NPO法人が1%に満たぬ中で、私たちは岩手県で9番目の認定NPO法人として認証されました。被災地支援活動が5年目を迎えるにあたり、襟を正して長期支援活動に取り組んでいきたいと念じています。
 本活動のゴールは「精神科救急事例化を最小とするコミュニティ」の実現です。精神医療過疎地だからこそ、より良質で効率的なサービスを提供するという発想をコミュニティで共有していきたいと思っています。皆様のご協力を頂ければ大変有り難く存じます。私たちは共に長期支援に取り組んでくださる精神科医、精神科看護師、臨床心理士、精神保健福祉士を募集しています。ご興味を持たれた方はホームページhttp://kokorogake.org/contact/よりご一報下さい。また長期支援活動のためには複数年度を跨ぐ活動資金が不可欠です。皆様の篤志を被災地に届けるためのご寄付をお願いしております。詳しくは同じくホームページhttp://kokorogake.org/donation/をご覧下さい。