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5年目を迎えたモザイク型被災地メンタルヘルス支援活動

被災者支援と支援者支援に共通する予防的啓発教育

 社会福祉協議会生活相談員との仮設住宅同行訪問は、被災地域支援であるとともに生活支援相談員への支援者支援でもあります。2012年7月から2015年12月までの訪問数はのべ768名であり、被災住民の心身の健康状態について把握し、訪問先住民のみならず生活支援相談員からの相談に対応しました。これに加えて精神障害者事例への多職種アウトリーチは、のべ260名にのぼり治療導入や服薬指導などにより救急事例化予防に取り組んでいます。
 2012年7月に着手した毎週末のサロン活動は2015年12月までに計154回、累計参加者1,807名となり地元に根付いてきました。落語、バイオリン演奏、オペラ、アイリッシュハープ、高齢者転倒予防運動などの企画と医学講話との組み合わせによるスティグマ是正などの啓発教育を続けています。

≪こころとからだの健康サロン≫

 すべての被災者支援と支援者支援に共通するのは、予防的啓発教育です。また最大の学習法は「教えること」と言われているように、私たちも多くの学びを重ねることができました。遠隔地からメンタルヘルス専門家が支援に入る際には、被災地の文化風土を尊重した姿勢が求められます。それは支援対象地域特有の生活ストレス要因や医療システムを把握するための情報収集力であり、被支援者の価値観、信条、宗教、世代差などを感じ取るための知識と共感性、つまり「文化を感じ取る力 Cultural competence」に裏づけられるものです。この力は、被災地域の文化風土、そして被支援者に内在する文化のみを対象とするのではありません。支援する私たち自身が持つ文化、メンタルヘルス専門家としてのアイデンティティも見つめ直し、それを支援活動に生かしていく「気づき」を与えてくれるものです。地域住民や関係機関、他団体との交流、連携によって私たちはその力を身に付け、同時に、私たちが持つ知識やスキルを地域に伝えていく。こうした「学び合い」の蓄積が、地域支援基盤の底上げにつながると思っています。

≪演奏会≫
演奏会
≪落語会≫
落語会
≪高齢者の転倒予防運動≫
高齢者の転倒予防運動
≪サロン後の医学講話≫
サロン後の医学講話