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5年目を迎えたモザイク型被災地メンタルヘルス支援活動

認定NPO法人心の架け橋いわて(こころがけ)
代表理事 鈴木 満

東日本大震災被災地における長期メンタルヘルス支援活動

 大規模惨禍からコミュニティが復興するには長い年月を要します。複合的な喪失体験が個々の人生に開けた空洞はあまりに大きく、一度分断された地縁・血縁・職縁は新しい町並みができてもなかなか元に戻りません。阪神・淡路大震災の場合、震災後20年が経過した現在でも精神的問題を抱えた住民が多数存在すると報告されており、ニューヨークで発生した多発テロ事件の被害者および遺族のメンタルヘルスケアを行っているマウントサイナイ病院では、事件後10年以上が経過しても新たな受診事例があるとのことです。 
 東日本大震災から5年が経過しました。全国から駆けつけた支援団体の大半は撤収し、三陸沿岸部の精神医療過疎は震災前の状況に戻った感があります。それでも甚大な災害をきっかけに、従前の地域医療課題が浮き彫りにされ、メンタルヘルスの新たな需要が掘り起こされ、新たなサービスが提供されたのは意義深いことです。岩手県の達増知事が「黒船がやってきた」と述べておられるように、国内外から多方面に支援の手が差し伸べられ、現地在住の支援者への啓発教育もかつてない規模と速さで進みました。メンタルヘルスの領域でも震災後の東北から何らかの「開化」が発信される兆しを感じます。
 本稿では、震災を機に毎週末に日本各地から参集し長期的に支援活動を続けている多職種メンタルヘルス専門家チーム「心の架け橋いわて」を紹介します。

【3つの「縁」の分断】

3つの「緑」の分断