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より良い論文執筆とクリティカル・リーディングのためのガイドライン
『日常臨床に研究成果を活用するために』

4. 研究の質を評価するためのツールと研究法の対応

 表 4 では、研究の質を評価するためのツールを研究法別に紹介しています。これらのツールを利用すると、日常臨床に研究成果を活用する前に、研究の質を評価することができます。
 しかし、研究成果を適切に報告するためのガイドラインと異なり、研究の質を評価するためのツールは、コンセンサスの得られたものが存在しないのが現状です28-30)。例えば、無作為化比較試験の研究の質を評価するために21ものツールが作成されていますが、それらのツールの信頼性と妥当性は十分に評価されていません29)。今後、研究成果を適切に報告するためのガイドラインに従う研究が増え、研究の質を評価するためのツールも改善されていくことが期待されます。

表4 研究の質を評価するための主なツール
研究法 名前 項目数 項目例(対応するバイアス) 選択肢
無作為化比較試験のメタ分析、観察研究のメタ分析 AMSTAR31) 11 項目10: 出版バイアスの可能性を評価したか? 出版バイアスを評価するために、図 (e.g., じょうごプロット) 及び/又は、統計的検定 (e.g., Eggerの回帰法) を含めるべきである。 1. はい   2. いいえ
3. わからない
4. 該当しない
無作為化比較試験 MAL32) 19 項目8: すべての群の治療遵守率は許容範囲内か? 1. はい  2. いいえ
3. わからない
観察研究 NOS33) 8 項目4: 研究の基準となる時点で、評価する事象が発生していないことを示しているか。 1. はい  2. いいえ
診断精度の研究 QUADAS34) 14 項目4: 2つの検査を受ける間に、対象とする状態が変化しないことが確実である程、検査と標準的検査を受ける間隔は短いか。 1. はい  2. いいえ
3. わからない

注)AMSTAR = A MeaSurement Tool to Assess Reviews; MAL = Maastricht-Amsterdam List; NOS = Newcastle-Ottawa Scale; QUADAS = QUality Assessment of Diagnostic Accuracy Studies tool
※ 数字)の表記は、PAGE6 「引用文献」の文献番号です。